社長の溺愛・番外編
慎と秋也。
秋也宅にて、酒を酌み交わしながら事業の相談をする2人。
「じゃあ、青山に出店する店の内装は頼むわ」
「案はまた送るわ」
「それにしても、裏と表と仕事すんのは大変だな」
「いや、もう慣れたよ。お前だって社長やってこうやって酒飲んで事業の話してんだろ」
「べつに、それよりもくだらないパーティーとかの方がよっぽど嫌だね」
「それは同感だな」
「それよりも、翼に会えないことの方が地獄だけどな」
「卒業旅行だなんて迷惑なだけだな、全く」
「1ヶ月前に優羽とお揃いのパジャマ作りたいって言われた時はもう、俺とお揃いのパジャマ着てくれないんじゃないかと絶望したよ」
「大袈裟だな」
「お前だってわざわざ昼間に会社に来て行事つぶせとか無理なこと言って来たじゃねえか」
「優羽が俺と離れたりなんかしたらホームシックで泣くからに決まってんだろ」
「ふーん、電話きた?」
「いや、クソガキから楽しそうな画像だけ送られてきた」
「南月か、俺もきた。本当にあいつは性悪だな」
「その調子で逐一情報遅れって買収しといたわ」
「さすが、抜かりねぇな」
「当たり前だろ、あんなに可愛い優羽が知らない土地歩いてみろ、誘拐されるに決まってんだろ」
「もしかしてお前、監視させたりしてねぇだろうな?」
「あ?んなこと当たり前にしてるわ」
「おいおいおい、お前…まぁ俺も幸弘行かせたけどな」
「お前もえげつねぇな」
「天使がいたらクソ人間共が群がるのは当たり前だろ」
「お前裏の稼業向いてると思う」
「やんないよ、俺は。これ以上休みなくなったらいい加減翼に嫌われる」
「そうか、まぁ俺もそろそろ纏まった休みでもとって優羽とどっか行くか」
「国内なら軽井沢にいいとこあるから、言えよ」
「助かるわ、自由に動けねぇからな」
「優羽ちゃんが楽しそうにしてると翼も楽しそうにしてるからなぁ」
「親バカならぬバカだな」
「バカ冥利に尽きるよ」
どっちも彼女バカな2人でした。