社長の溺愛・番外編
社長室に駆け込めば嫌でも目にはいる二人
「おかえり、こっちおいで」
見ていた書類をあっさり放棄して両手を広げる我が上司
これでもかというくらいデレデレな顔で微笑んでいる
魔法にかかったようにその腕のなかに飛び込んでいく翼ちゃん
もう見慣れた光景だが、よく飽きないなとほとほと呆れ返るほどラブラブしている
しかしだからと言って気をつかって出ていくような俺じゃない
「慎!翼ちゃんが俺に冷たいんだけど、どうにかして!」
ズカズカと無遠慮にかっこいい俺はキマったスーツで大理石の上を歩き進める
なのに、この俺様が話しかけているにも関わらず慎は無視を決め込み翼ちゃんにチュッチュしはじめる
エロ親父か!
思わず突っ込みたくなったがこれもいつものことなのでそのまま話を突き通す
「ねぇ社長、翼ちゃんに聞いてみてよ!南月の野郎がまたなんか吹き込んだんだよ」
ちらりと俺を視線の先に捉えた慎は腕のなかの翼ちゃんに気持ち悪いほど優しく問いかける