社長の溺愛・番外編
「翼、何言われたのかな、話して欲しいな」
話ながらもチュッチュチュッチュといい加減にしてほしいものだ
俺は最早定位置の窓側のソファーにふんぞり返って二人を見つめる
ちらっとこちらを見てムッとしたような、怒ったような顔をした翼ちゃんが慎の耳元に顔を近づける
コソコソと何か言っているようだが全く聞こえない
なんでここまで避けられているのか毛頭わからない
俺はこんなに翼ちゃんが好きなのに!なんて慎の前で冗談でも言えないけど
あーあ、とソファーに寝転びながら俺もそろそろ本命作らなくちゃなんて不可能に近いことを考える
「よし、今すぐ帰ろう」
そんなこと考えてたせいか空耳が聞こえたような気が……
「幸弘、帰るから後はよろしく」
空耳じゃなかった…ガッツリこっち見て言ってるし
「お前、この流れでなんで帰るなんて結論がでる!?」
「翼としなくちゃいけないことがあってね、ベットで」
「はぁあああ?え、社長だよね」
「そうだ社長命令だ、ってことで帰るから」