社長の溺愛・番外編



それはもうすごいスピードで身支度を済ませていく慎に俺は冷たい視線を送ることで意思を伝えようとする


だがしかし、翼ちゃんとのラブタイムを確保すべく鬼神の如く書類を鞄につめる姿にああ、もう無理だ



と長年の付き合いか、はたまたただの諦めなのかおおよその予定が見えてくる



あーあ、今日はマユちゃんと会う予定だったんだけどなー


仕方ない、こうなった慎はもう止められない


止めたとしても仕事なんか身にもはいらずうざい社長なだけだ


「翼ちゃん、また明日ね」


ヒラヒラと指先だけを振り悩殺スマイルを繰り出す俺に未だに警戒心むき出しな彼女


いつもなら駆け寄ってきてバイバイ幸弘くん!なんて素晴らしい笑顔をつきで言ってくれるのに


慎に聞いてもこの有り様


いったい南月が何を言ったのか未だわからず



まぁ、でも


二人が幸せなら、ってどうでもいい気がしちゃう俺も相当頭がおかしい


出口に向かう社長様以上にね



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