社長の溺愛・番外編
何故か胸騒ぎがした
“誰かが俺から彼女を奪っていく”そんな恐怖感が静かに背後にせまっていた
じっと、親の敵でもみるような目でその車と彼女を交互に見つめる
一歩一歩、彼女らしい足取りで進む後ろ姿には何も見えないが、守ってあげたいと思わせるものがある
せめて来月までには仲良くなりたい
なんて中学生のような淡い思いを抱いている
と、残念なことに
俺の直感はドストライクにヒットをかましやがった
門から彼女が出てすぐ、車から二人のスーツを着た男が現れた
何かやばいことに巻き込まれたのかもしれない…と瞬時に立ち上がって様子をみたが特に騒いでる様子もない
何を喋っているかなんて教室からでは知り得ないが、彼女からは相変わらず冷めたように淡々としている感じが伺える
知り合いか?身内か?
何故かそれ以上のことは考えられずに思考停止
気がついたら彼女は自ら車に乗り込んでいた