社長の溺愛・番外編



―――――……

――…


「…ちゃん、起きて?」

「ん……翼?」

「早く帰ろ?今日なっちゃん慎のとこに行くでしょ…?」



その台詞にああ、寝ていたのかと気づく


時計を見れば既に帰りのHRすらも終わっていて、生徒は生き生きと帰路に急ぐ


どんだけ長い時間を夢に使っていたのか……


あれ、俺受験生じゃね?


「行かないの…?」


と、寝すぎた頭を覚醒させるのに時間がかかりすぎていたのか可愛い翼が眉を下げる


そういえば慎さんに呼ばれていたんだと理解する


「ごめんごめん、行くから」

「うん、楽しみ…なっちゃんと!」



うん、可愛い

可愛すぎてどうしよう…



「帰るっ帰る、なっちゃんと」


わくわくしているのか眩しいほどの笑顔を向ける彼女は今では可愛い“妹”のように思える



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