社長の溺愛・番外編
誕生日は皆で、ね
書斎でひとり、険しい顔をしながらパソコンのキーを叩く俺を見つめる視線に顔を上げる
と、焦ったようにキョロキョロと瞳を揺らし、最後には眉を下げて泣きそうな顔をする
あー可愛い
ほんと可愛い
「おいで、翼」
その声に恐る恐るといった体で部屋に足を踏み入れる翼は可愛らしいナイトドレスに身を包んでいる
「どうした、寝れないのか?」
腕のなかに抱き止めた彼女は何故か泣きそうな顔をしながら首筋に顔を埋める
いつものように向かい合いながら膝の上に座らせる
「慎、………どうしよう」
「ん?言ってごらん」
顔を上げさせて涙の溜まった目尻に唇を落とす
チュッと鳴った音に愛しい仔猫は身体を揺らす
それがあまりにも可愛くてゆっくりと桃色の唇に食べるようなキスをする
言葉にすることが苦手な翼は一生懸命答えようと弱い力でシャツを掴む
呼吸を促しながら喋りかける
「何か言いたいことがあるんだろう?言ってみな」
「んっ…ふぁ…」