社長の溺愛・番外編



彼女にとって誰かを祝ったり祝われたりというのは幼い時以外記憶にないため、不安だったのだろう



「慎…プレゼント…」

「そうだね、考えるのは難しいな」



以前より伸びた茶色い髪を梳きながらその可愛さに今すぐ押し倒したくなる衝動を抑える



「あのね、いっぱいいっぱい考えたの」

「そっか、ありがとう」

「でもね…慎は、えっと社長さん…だからたくさんプレゼント持ってるから…」

「わかんなくなっちゃった?」

「うん…」



ぽすん、と項垂れたように小さな頭を俺の胸に置く翼に笑みが溢れる


毎日毎日、これでもかというくらい愛を伝えあって過ごしているのにまだまだ湧き出る想い


きっと彼女だからそう想えるんだ



「なぁ、翼」

「なぁーに?」

「プレゼント、わかんない?」

「わからない…」



うるうるした瞳で俺の顔を真下から見つめる彼女は絶望的に可愛い



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