白銀の雪 〜星霜編〜
「あ!あの刀ならこちらで預かっているの、あとね、起きたばかりでごめんだけど、ちょっと来れるかな?起きたらすぐに連れてくるよう言われてるの…」
少女は何故か悲しそうな表情で少年に問い掛ける。
「いいでしょう」
少年の体調は既に完調していた。
少年は立ち上がると、少女と共に部屋を出て、ある場所へと向かう。
「そういえばまだお互い名乗ってなかったわね、私はアミ」
少女はふと思い出したかのように少年に問い掛ける。
「えっと…、君の名前を教えて貰えるかな?」
少年は表情を変える事なく、そっと口を開く。
「俺は…、ユキヤと呼びます」
そう、まるで他人事のように…。