白銀の雪 〜星霜編〜
「可哀相じゃが、お主には死んで貰わなければならぬ、どんな小さな可能性も絶たねばならぬのじゃ」
冥王復活の鍵となる光界玉を護る為、この掟は絶対といえよう。
「アミよ、お主がこの者を連れて来たのじゃから、心を鬼にするのじゃ」
私が、この子を殺す…?
掟とはいえ、私が助けた命を私が奪わなきゃいけないの?
「まあ、言いたい事は分かりました」
それまで黙ってたユキヤが、反論する事なく口を開く。
そしてアミの方を向き、驚愕の言葉を放つ。
「アナタには命を助けて貰った借りがある。だからアナタになら殺されてもいいですよ」
とてもこれから殺される者の言葉とは思えない、まるで他人事の様な一言だった。