白銀の雪 〜星霜編〜

私にはこの子を殺す事は出来ない…

命とは尊いもの、それを簡単に投げ出す様な考えのユキヤに、アミは言い知れぬ何かを感じた。

「長老、私にはどうしてもこの子が、狂座の手の者とは思えません、どうか少しの時間を頂けませんか?」

アミはどうしてもユキヤを助けたかった。
簡単に死んでいい命なんて無い。

「じゃが掟は掟じゃぞ、狂座の者では無いという証拠もあるまい」

「しかもあの刀といい白髪といい、どうみても普通じゃない」

長老に続き、男の一人もそう言い放つ。

その時、ユキヤが口を開く。

「狂座の者を排除するという、アナタ方の方針は分かりました。」

ユキヤが誰もいない壁側に向き、言葉を放つ。

「さっきから気配を消して、話しを聞いてる者がそこにいるんですが、悪趣味ですからそろそろ姿を現したらどうでしょう?」

そこに居る者達は、一体何を言ってるんだ?と思ったが、突如壁側に亀裂が入り、何者かが姿を現した。
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