白銀の雪 〜星霜編〜

「まさか四神刀に生き残りがいたとはな…」

シオンはどうやってこの場から退散するかを考えていた。

「あの四神刀の一人、星霜剣のユキヤがまさかこんなガキだったとは」

シオンの第十六遊撃師団は、別任務にあたっていた為、四神刀との直接対峙が無く、四神刀の事は資料でしか知らなかった。

「何か勘違いをしていませんか?」

二刀を構えたままのユキヤが口を開く。

「俺は一言も四神刀とは言ってませんよ」

じゃあ何者?

その場に居る誰もがそう思った。

死神の剣と謳われた¨星霜剣のユキヤ¨は四神刀の一人である称号として、狂座においても世の中においても、あまりにも有名な呼称であるからだ。
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