白銀の雪 〜星霜編〜
それは信じられない光景だった。

シオンの結界内、バラバラになった人形達が凄まじい凍気によって、全て凍りついていく。

「四神刀に勝てた?中々笑える冗談ですね」

凍りついてる為、シオンは人形達を増やす事は出来なかった。

「アナタ如きが彼等と闘っていれば一瞬ですよ…、アナタは四神刀の本当の強さを知らなさ過ぎる」

既に完全にシオンは全てが凍りついている。

ユキヤは刀を鞘に納め、膨大な氷の彫刻となったシオンに背を向ける。

「永久(とこしえ)に散れ…」

氷の彫刻は音も無く崩れ、粉雪の様に辺りに散っていく。

その氷の粒子の中佇むユキヤの白い髪はさらさらとなびいて、まるで銀色に輝く様に見える。

それは恐ろしいまでに美しき、小さな死神の姿だった…。
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