白銀の雪 〜星霜編〜
だがその力は狂座からこの地を守る為、必要とも言えた。

狂座の戦力はあまりにも強大。

狂座の師団長シオンに、一族随一の遣い手であるアミですら及ばないのだから。

師団長と言う事は、まだまだ上の位の強さを持つ者が、狂座には多数存在すると思われる。

その様な相手と闘えば結果は火を見るより明らかだ。

だが師団長も相手にならなかったユキヤ。

四神刀¨星霜剣のユキヤ¨の剣と名を受け継いだこの少年の力が必要な事は、その場の誰もが感じていた。

なら、もう一度正式な話し合いと、協力してもらう為の説得が必要だ。

「もう一度、話し合ってはくれぬか?」

長老は懇願する様に問い掛ける。

「いいでしょう」

ユキヤはコクりと頷く。

争い合うのは無意味。

冥王復活を阻止する為。

恐らくユキヤも目的は近いはずだから。
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