白銀の雪 〜星霜編〜
その人影は動く事なく倒れていた。
アミは警戒を解く事なく、そっと倒れている人物に近付く。
子供?
何故子供がこの森で倒れているの?
アミが驚くのも無理はない。
この森は複雑に入り組んだ自然の要塞となっている。
普通はこんな奥まで入ってくるのは至難。
「白い髪…」
倒れている少年の髪の色は真っ白で、肌も驚く程白く、また体格には少々不釣り合いな二本の刀を帯刀していた。
森に迷い込んだ少年にしては、明らかに異質な雰囲気を醸し出していた。