白銀の雪 〜星霜編〜
さてどうしたものか…
その時、部屋の障子がそっと開かれ、誰かが入ってきた。
「あ!目が覚めたのね?良かった…」
一人の黒髪の少女が部屋に入ってくる。
その表情には安堵もあり、またどこか寂しげな表情も感じさせた。
「アナタが、助けてくれたのですか?」
白髪の少年は表情を変える事なく、少女に問い掛ける。
「うん、毒が全身を回ってて、手当てがもう少し遅かったら危なかったの」
「でも無事で良かった…」
少女は笑顔で少年に話しかける。
「助けて頂いた事に感謝します、この借りは必ず返します」
「その前に」
そう、とても気になっていた事。
「俺の刀は何処ですか?」
少年が帯刀していた2本の刀は、ここには無かった。