愛はいくらで買えますか?【BL】

Side:羽賀


「ねぇ羽賀、これ欲しくない?」

「……またか」

ここの所ずっと、鴇田はおかしい。
変だ。異常だ。変だ。
何度でも言おう、変なんだ。


登下校中も学校でも街中でも、
ところ構わず行っていたナンパといえなくもないあの行為を止めた。

それだけなら、俺だって喜んでいただろう。
だけれど、今まで女の子に向けられていた行動のすべてを、俺に対して行うようになった。


「熱とかあるんじゃないのか?」

ここ数日だけでも5回は訊いた。
しかし何度測ろうが36度台しか出ない。


「何言ってるの、俺はすこぶる元気だって!」

「……そうか」

なら、まあ、……いいか?
彼の差し出していた雑誌の記事に目を通さずに、窓の外を眺めた。

どうせまた、このジャケットが、とかゲームが、とか見せてきて、俺に貢ごうとしているんだ。
一体何を考えてんだか。

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