愛はいくらで買えますか?【BL】
「とける、とける!
とけちゃうから受け取ってよ!」
……帰宅途中。
いきなり姿を消した鴇田を探していると、ずいっとアイスを差し出された。
何を勧められても
『いらない』
そう言って断ってきたけれど、流石にこれは受け取らずにはいられない。
彼はちゃんと自分の分を持っているし。
仕方が無く貰ったアイスを口へ運ぶと、その味に思わず頬が緩む。
そんな俺の様子を、鴇田は満足そうに見ていた。
「羽賀は、そうやって笑ってくれるよね」
「……笑ってほしいならいくらでも笑ってやるよ」
なんだろう、最近は呆れすぎていたせいだろうか。
その所為で彼がおかしくなっていたのか?
笑っていればいいのなら、いくらでも。
ニッと笑顔を作ってみせると、安心したのか彼も笑った。
そしてその笑顔のままで尋ねてくる。
「ねぇ、何か欲しいものは無い?」
……まだ続けるのか、それ。