愛はいくらで買えますか?【BL】
「羽賀にだったら何でもあげるよ。
他のどの子よりも大事にする」
そんな事を言われたら、一瞬、告白でもされたのかと勘違いしてしまう。
「あ、ゴメン。今のはちょっとキモかったね」
けどすぐにそう言われたら、期待も一瞬で消える。
「でも本当だよ。
何でも言って?何でも叶えるから」
「……マジでお前どうしたよ」
じゃあ付き合って。とか言ったら叶えてくれんのかよ。
頭の片隅にそんな願望を浮かべながらも口にはできない。
「俺さ、気づいたんだよ」
「何に?」
「羽賀の隣が一番好きなんだ」
俺じゃなく、俺の隣、だ。
思い上がりそうになる心を抑える。
「友達として、だから。
深い意味とか考えなくていいから。
羽賀は俺のこと好きだよね?」
そして次に続くのは、告白の強制か?
まあ確かに、友人としても好きかもしれない。……多分。
彼への好きを分別して考えた事なんて無い。
「ああ、好きだけど」
で、何?
「よかったー」
ふにゃ、という擬音が似合う顔で鴇田は笑う。
釣られて俺もまた笑う。
が、すぐに引きつった。