愛はいくらで買えますか?【BL】

「俺じゃなくてもいいんだ」

続けられた鴇田の言葉に、俺は口を閉じる。


「俺の持ってるモノでもいい。
いっそ俺の財布が好き!とかでもいいからさ、今以上に追加で好きになってよ」

……コイツは、ここ数日の俺の反応に何も思わなかったのか?

呆れて物も言えないとはこういう時に使う言葉か。
本当、何なんだこのバカは。

黙り込んだ俺を、鴇田は期待と不安を織り交ぜた表情で見つめる。


「嫌だ」

息を詰めて鴇田は俺の目を見た。

裏切られた。と彼は思っただろうか。
だけどな、それは俺も同じなんだよ。
だから、なら、いっその事。

賭けにでてみようか。

本当に裏切られたと、彼を傷つけるだろうか。
それとも、受け入れられるのか。

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