愛はいくらで買えますか?【BL】
「俺は何もいらない」
ゲームも服も。
例え札束積まれたって、俺の気持ちは変わらない。
そう告げると、鴇田は泣きそうな顔でこちらを見る。
「羽賀でも、俺の事愛してくれないの?
喋ってくれるのに?笑ってくれるのに?」
全部ウソだったの?と、呆然と彼は呟く。
「んな訳ねえだろ、バカ!
俺はお前に嘘なんて吐いた事ねえよ、1つしか」
俺のその言葉に、ポカンと口を開けてアホ面を晒している。
「1つ……?」
そう、たった1つ。
俺が彼に吐き続けていた嘘は。
「お前の事、友達として好きじゃない」
……本当は“だけ”って2文字が足りないかもだけど。
今はそれは置いておこう。
10秒も無いその台詞に、鴇田はこれ以上ない程の絶望を浮かべた。
その後俯いてしまい、表情の窺えないままで俺は続ける。
「それ以上に好きなんだよ。愛してるよ、バカ」
隣に居たのも全部、下心込みだったよ。
……あ、それに、欲しいモノはあるな。
俺も鴇田の愛が欲しい。
ずっと変わらない俺の想いを、彼はどんな顔で受け取っただろう。