愛はいくらで買えますか?【BL】
「え、ほ、ホントに?!」
上げられた顔は、ぱあっと輝いて俺を見た。
あまりにも嬉しそうだから、
ちゃんと聞いていたのだろうかという疑問もある。
……気持ち悪いとは、思わないんだろうか。
「本当に」
「嘘じゃない?!」
「嘘じゃない」
答えてやると、嬉しさのあまりか鴇田は抱きついてきた。
俺は慌てて腕を上げ、アイスを避難させる。
解ったんだろうか、本当に。
確かめるように、俺は彼に言ってみる。
「けど俺の愛は安くねえよ?」
「じゃあ俺の愛をあげるから!
俺の愛で羽賀の愛は買えますか?!」
そう、物じゃなくて。
しかも俺の欲しいモノじゃないか。
「十分、買えますよ」
意味が同じじゃなくても、俺には十分すぎる位だ。
嬉しい。