愛はいくらで買えますか?【BL】
たまらなくて俺は笑った。
笑いながら、ぐしゃぐしゃと目の前の頭を撫でた。
……少し見上げる鴇田の顔が何故か赤い。
「鴇田?」
呼びかけると、少しの沈黙の後、
何かに気が付いたようにハッとして喋りだした。
「…………俺、本当に欲しかったモノが解ったよ」
「よかったな?」
「そんで、手に入れてたよ!」
真っ赤な顔で嬉しそうに笑う鴇田が眼前に迫っていた。
次に感じたものは、さっきまで食べていたのとは少し違う甘い味だった。
つまり、そう、キスされていた。
自惚れてもいいだろうか。
っていうか、これはそういう事だよな?
今度赤くなるのはもちろん俺の番だ。
照れつつも浮かれると同時に思い出した。
ここは普段の人通りは少ないけれど、この時間は同じ学校の生徒がちょくちょく通る。
……そんな所で何やってんだ、俺たち。