愛はいくらで買えますか?【BL】
中学に上がる少し前の事だった。
幼稚園からの友達の羽賀に、漠然としたそんな事を話してみると、こんな答えが返ってきた。
「寂しいんじゃね?」
「……そっかなぁ」
寂しい。
そうか。
そうなのかもしれない。
じゃあ、何で寂しいんだろう。
俺は考えた。
30分ほど考えて出した答えは、
「俺、愛が欲しい」
両親に愛されてる事は知っている。
けど、なんかこう、よく解んないけど。
とにかく、愛が欲しいと思った。
「そうか」
考えている間、ずっとゲームの攻略誌を読んでいたらしい羽賀は、俺の言葉を聞いてそう言った。
そしてすぐに視線を本に落とす。
そっけない。
けど、何言ってんだバカと笑いもしない。
勝手に認めてもらった気になって、
それじゃあ誰かに愛されようと、その時に俺は決めた。