ミルクチョコレート味の恋
第一章
・運命の相手
「みやー!起きなさーい!!」
「起きてる!!」
二階から響いてくるお母さんの声に返事を返しながら、ハニーブラウンの髪をひと束取って両サイドで編み込む。
それを後頭部まで到達させたところで一つにくくって上から後ろ髪をふんわりと乗せる。
「よし、完成っ。」
口角を上げて首を左、右へと順番に回す。
我ながら上手に出来たと思う。
後ろの髪から覗く後頭部までの編み込みがボリューム満点で可愛い。森ガールになろうと思えば簡単になれると思う。
髪全体の形を確認しながら自画自賛する。自分が褒めなくちゃ誰も褒めてくれないから自分で褒めるしかない。
爽やかなんだけれど少しだけ果物の甘みが含まれているような香水をシュッシュッと二回、首に吹き掛けてアクセサリー入れが置いてある机に近寄る。
ハートの形をしたガラス製の受け皿から取ったピンク色のブレスレットを手に通して、
ゴールドのチェーンの先に中が空洞になっているハートの飾りが付いているネックレスを首につける。
これは中学からの私のスタイル。
たとえ纏う制服が違うものになったとしても、このスタイルは続けるつもり。