ミルクチョコレート味の恋
綾、とはさっき説明した私の親友で、名前は黒石 綾伽(くろいし あやか)。
少し気が強くて、明るくてリーダー的な存在。
中学では学年で一番美人と言われていた顔立ちをしていて、スタイルもいい。
それに加え、自分の思った事をハッキリと言える綾。
意見を言うのがあまり得意じゃない私にとってはとても憧れの存在。
そんな綾とは小学生の時からずっと一緒。
クラスが離れていても一緒に遊んだり、学校帰りは楽しく話しながら帰ったり。
何か、楽しい事をする時は常に綾と一緒。
そんな長い付き合いの綾とは、相思相愛なのだ。笑
「もう、綾遅いよ!」
「ごめんごめん。寝坊しちゃってさー。昨日はなんか、楽しみにしすぎて寝れなかったから。」
「何それ。子供~。」
ぷぷぷ、と口元に手を当てながらわざとらしく笑うフリをする。
そんな私の仕草を見た綾は私の頭をコツンと弱めの力で叩いてきた。地味に痛い。
「痛い!」
「ほら行くよ!遅刻する。」
自分が寝坊したくせに、と口を尖らせてみたけど綾はその批判を無視して私の手をぐいぐいと引っ張って歩く。
どこからそんな力が出るんだろう。