ミルクチョコレート味の恋
顔を歪めながら「もう綾!」頬を膨らませながら声を張り上げると、綾は「あ。クラス表ってあそこにあるんじゃない?」完全に私を無視して人がざわざわと集まっている所へ走りだした。
「ちょっと待ってよ!!」
マイペースにも程がある。
置いていくなんて酷い!と怒りながら綾を追いかけた。
と、その時
「ちょっと!邪魔よ!退きなさい!!」
女の子の怒声と共に、どん!と背中を押されて体がグラついた。
「う…わっ!?」
見事にバランスを崩した私の体は前のめりになって床へと近付いていく。
た、倒れる!!
両手に荷物を持っていた私は、当然手を床につける、なんてできず――――…
顔と体が固いコンクリートでできた床に打ち付けられる覚悟をして目を強く瞑った。
と、ムニュッ。
「ほえっ?」
想像していた衝撃とは全く正反対な感触が制服越しに伝わってきて、素っ頓狂な声を上げた。
「あっぶねー。」
頭上から声がして閉じていた目を恐る恐る開ける。