ラブゲーム
小さく呼吸した杏奈はじーと僕を見た。青空の下に居る僕らを置いてきぼりにして授業のチャイムがなる


「一昨日、かえって来たんだよ」


「一昨日?何でいなくなるとき何も言わなかったの?」


小さな体を地面にストンと落として杏奈は体育座りをした


僕は杏奈の隣に座る


「だって、帰って来る予定なんてなかったから……永遠に居なくなるなら辛いことは空くない方が良い」


「急にいなくなったことが僕らには一番辛かったよ」


僕は空を見上げる。
何か過去にもこんな事あったな


ずっと陽太とばかりいたのに、僕はあの時珍しく杏奈といて


家のベランダに2人で体育座りをして空を見上げてた


杏子と陽太は部屋でゲームをしてたけど
杏奈の隣は居心地が良い

「太陽、太陽がラブゲームはじめたのはやっぱり私のせいなのかな」


長い髪がサラサラと杏奈の顔を隠す


「何で?」


杏奈は顔を上げて空を見ながら


「好きだよって言ったのにいなくなったから」


……。ヤバい覚えてない。杏奈との記憶はベランダで一緒いたことしか覚えてない


「嘘」


「え……」


「今も昔も太陽はからかうの楽しいね」


~っ!!
僕は真剣に考えてたのに杏奈は


「何だよ……僕、バカかな」


恥ずかしい。


「うーうん?ラブゲームやってた罰ゲームだから今の」


「え?なにどういう事」

「嘘の反対だからね?ちなみにファーストキスも太陽だった」


僕は嬉しかった。杏奈の一番で杏奈が覚えてくれてたのが。それと共にショックだった


杏奈とねファーストキスを覚えてないなんて


杏奈の記憶力は驚異的だ
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