「代償があるのじゃぞ!?その代償は、なにか分らんのじゃぞ!?
それは、視力かもしれん。聴力かもしれん。声かもしれん。身体の自由かもしれん。
……命ということも、考えられるのじゃぞ…。
それでも、君は。雫ちゃんは……」
「どんな代償でも、受ける覚悟はあります」
「なぜ、そんな……」

「彼が笑顔でいれるなら…。あたしは、嬉しいんです」

「…わかった」

「あの、ひとつだけ、お願いがあるんです。
このこと、優心には言わないでほしいんです」
「なぜじゃ?」
「能力がなくなったのが、あたしが代償を受けたからだと知ったら優心…きっと、責任感じちゃいますから!」
「っ、わかった。優心には、それらしいことを言って誤魔化す。言わないと、約束しよう」
「ありがとうございます」

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