心
side優心
「おはよう」
朝、ふわりと笑って挨拶をした雫にどこか違和感を覚える。
「雫、何かあったか?」
「え?何もないよ」
「…そっか」
「そうだよ。早く行こ?」
「あ、あぁ…」
* * *
もしかしたら、この時からかもしれない。
俺たちの間に、溝ができ始めたのは。
いや。
俺が、溝を広げたのかもしれない。
だって、雫は…。
いつだって、真っすぐに俺を見てくれていたのだから…。
いつだって、
ただ、真っすぐに……
俺を、好きでいてくれたのだから…。
――その、温かい手を手放したのは。
他の誰でもなく、
俺だった。
「おはよう」
朝、ふわりと笑って挨拶をした雫にどこか違和感を覚える。
「雫、何かあったか?」
「え?何もないよ」
「…そっか」
「そうだよ。早く行こ?」
「あ、あぁ…」
* * *
もしかしたら、この時からかもしれない。
俺たちの間に、溝ができ始めたのは。
いや。
俺が、溝を広げたのかもしれない。
だって、雫は…。
いつだって、真っすぐに俺を見てくれていたのだから…。
いつだって、
ただ、真っすぐに……
俺を、好きでいてくれたのだから…。
――その、温かい手を手放したのは。
他の誰でもなく、
俺だった。