秘密。
「カナコちゃん…口…、虫が入っちゃうよ?」





私の後ろを歩くショウ君が、笑いを堪えて私に注意した。


わわッ…。は、はずかしいィ…。







慌てて、両手で口を覆って周りを見回して見ると、やっぱり周りに見られてた…。


はずかしい…。


思わず、顔を俯かせちゃった。






うぅ…。




タケルさんがエレベーター前に立っていて、そこへ小走りになって近付いた。







「…ぁの。タケルさんって、シノブ君の同期なんですか?」

「あーうん。ってか、面接の時に席が隣り同志だったんだよ」





その時の事を思い出したのか、クスリと笑った。



ちょうどその時にエレベーターの扉が開いて中から人が出てくる。


「今日、シノブだったら少し残業して帰るはずだからまだいるよ」



帰る人たちが多いのか、降りて来たエレベーターには沢山の女性が出て来た。



< 119 / 217 >

この作品をシェア

pagetop