秘密。
「タケルが連れて来たのか?」


「まぁな」




得意げに返事をするタケルさんに呆れたシノブ君は、深いため息を吐いた。



「カナコ。何でここにきたんだ? 遊び場じゃないんだぞ」


少し低い声。これは怒ってる…。


確かに、仕事場に来た事は褒められる行動じゃない事ぐらいわかってる。










けど…。



「だって、電話してもメールしても返事が返ってこないじゃない…」


最悪…、これじゃ束縛する女じゃん。そんな女って面倒だって思っちゃうよね。


フラれる事覚悟でここにいるんだけど、迷惑がられるのはな…。

…明らかに迷惑って顔してるし…。




うぅ…。言おうと思ってた事が喉に引っ掛かった感じで、言いにくいよ。おまけに、シノブ君の隣りにいる女の人の顔が引きつって私を見ている…。
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