秘密。
やだ…。何か…こんな空気で喋るなんて…出来ないよ。
「……カナコ。ちょっとこい」
腕を掴まれて、立ってた場所から強制的に、別の所へ移動させられた。
けど、私は半ば引きずられるようにシノブ君の後をついて行く形だ。
「い、痛いよ。シノブ君…」
掴まれた腕から痛みが走る。
やだ、怖い…。
こんなにシノブ君が怖いなんて、思った事がないよ。
誰も使ってない…給湯室に入るなり、シノブ君は深いため息を吐いた。
眉間に不機嫌の象徴のシワが深く刻まれている。
「…で、何しにここまで来たの?」
「………シ、シノブ君に会いたかったの…。会って、言わなきゃいけない事があって…」