秘密。

その言葉を発するだけで精一杯だった。

目の前の女の子は、表情を一切変わる事もなく僕を見つめていた…けど、突然、彼女は僕の手首を掴んだかと思うと、自分の方に引き寄せ…。


むにゅ…。


「…な、…何、を…」

体中が固まる。手の平の感触は男にはない女性特有の柔らかい……胸。

「信用、してくれた?」

ニッコリと動揺した様子もなく彼女…ショウカさん…は、僕に自分の胸を触らせる。
動揺しているのは僕だけ。

「なんなら脱いでもいいよ?」

「いいいいぃ、いらないいッ!!」


動揺のあまり、どもってしまった

彼女から離れようとするけど、意外と…力が強くて…離してくれなくて…。


『はい、チーズ!!』


機械音に僕は、そっちの方を見ると…そこには、タケルがニヤリと笑ったまま携帯を持ってこちらに向けていた。


「タケルッ!! お前、何してんだよ!」

「浮気、さいってー」

「なッ…!」


カッと頭に血が上るのがわかる。


「タケル!」


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