秘密。
怒鳴るけど、タケルはまったく気にする事もなくてヘラヘラと笑うだけで、僕の苛立ちを倍増させる。
「どう言うつもりだよ!」
「何って、お前の気持ちが今のでわからない訳?」
「気持ちって…」
いつまでも僕の手を掴んでいたショウカさんから離れた。
頭の中は、カナコにたいしての罪悪感が体中を渦巻く。
「今お前の中に占めているのは、誰だよ? それが、お前の本当の気持ちだよ」
「………………」
あまりにも的を射たタケルの言葉に僕は唖然としてしまった。
「………カナコちゃんは、この間からすごく悩んでいました。それを解放出来るのは、あなただけです」
……ショウカさんの言葉に僕は、今だ持っていた…カナコから手渡されたロムだった。
これに自分の気持ちが乗っていると言っていた。…なら、これを、カナコの本当を見て、僕の正直を彼女に伝えればいいのだろう。
本当は、このロムなど見ずにカナコの所へ走っていって抱きしめてやりたかった。
けれど、これを見なければカナコの本当の気持ちを知る事も出来ない。
「シノブさん。カナコちゃんを解放してあげて下さい」