秘密。

「……木庄さん」

「行って。早く…行って上げてよ!!」

「ごめ…」


「行っててば!! そんなの、聞きたくない!!」


視線を逸らして拒否を表す木庄さんに背中を押されるように、僕はカナコを追いかけるように走り出した。



カナコの言葉。

タケルの言葉。

ショウカさんの言葉。

木庄さんの言葉。


そして、何より…カナコの勇気。


カナコの勇気に答えたい。

僕の気持ちを知ってもらいたい。



だから、僕は走った。

カナコの気持ちが、僕と同じであれば…。


もう一度、やり直せる…。

カナコ、今、僕は君に会って抱きしめたいって思っているんだ…。




大好きだって、叫びたいんだ…。

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