秘密。
もう、隠す事もやめたから、おっぴらげに話すのがこんなにも楽しいのかと改めて理解した。


「…でも、いい子なんでしょ? まぁ、カナコちゃん見てたら分かるよ。漫画が好きな事って悪い事だってカナコちゃん思ってるの?」


「……思わない…」

「思ってたら、漫画好きにならないでしょ? 何か好きになるのって悪い事じゃないよ」


見た目はどちらかと言えば、軽そうだけど…話はしっかりしている事に驚いて、タケルさんを見上げる。

瞳の奥はどこか真剣な色が見え隠れしている事に気づいた私は、タケルさんが信用できる人だと判断した。


「…そうですね。メルアド…、教えてもいいですけど紹介はまた別の話ですよ?」

「けち! まぁ、少しずつでいいから信用してよ?」


ブゥ…と、膨れるタケルさんにメルアドを教えていると「赤外線でファイル送っていい?」と、言われた。

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