秘密。

姿勢を正して、シノブ君と向き合う形となったけど私は彼の目を見る事が出来なくて視線を下へ下ろしたまま…。

ど、どうしよう…。覚悟してた事だけど、いざ目の前にすると怖くて、シノブ君の声も聞きたいけど恐怖で耳が拒絶したくなる。


「…ロム、見た」

「――…うん…」

「驚いた」

「うん」

「……カナコだって、すぐに分からなかった」

「う、ん…」


淡々と感想を言うシノブ君に今か今かって…恐怖が、体中を蝕んでいく。

体中が震える…。


「何で、隠してたの?」

「……………それ、は…」


動揺するしかなくって、何も言えなくなる…。下を向いたまま、それ以上何も言えなくなって押し黙るだけの私に、シノブ君はため息を吐いて呆れる事もしない…。

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