秘密。

「…『にょ』…って、カナコ、それうける…クク、ク…」

「わ、笑わないでよぅ!! 私だって、不可抗力よー!」


さらに真っ赤にして、カナコが半泣きで訴える。

それでも僕の笑いはおさまる事なく、逆に深くなるばかりで…それを「やめてー」と両手を拳にしてポカポカ、僕を殴るけどまったく痛くなくて…また笑いがこみ上げてきた。

僕とカナコの間にあったわだかまりや仲直りした後の謝罪しあうぎこちないものが一瞬にしてなくなった。


これもまた、カナコだからこそ…だよな……。


「帰ろっか…僕の…家に」




優しく握った手は振りほどかれる事もなく、カナコの真っ直ぐな瞳には迷いもなく満面の笑みで頷いてくれた。



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