秘密。
言い終わったら肩で息をする私だけど、目の前のダイスケさんは目を丸めてこっちを見るだけ…。
あぁん、もぉ!!
お願いだからシノブ君と似た表情しないでよ!! 私、謝っちゃうじゃない!
「………わりぃ…」
「……バイト、行かないと…」
そう一言を呟いて、私はダイスケさんから距離を置くように逃げて行った。
振り向かないようにして走って、走ってバイト先までいつも超がつくほど余裕で到着していたのに、今回は超が100コついてもおかしくないほど余裕で到着してしまった。
手持ち無沙汰って言うのもあって、キッチンの片付けを手伝っていたけど、気を緩んじゃうとシノブ君…うぅん、ダイスケさんの事を思い出しそうになる私がいて…。
「…だ、ダメよダメよ!」
カナコ! 気をしっかり持たないとッ!!
私が好きな人は誰?
シノブ君に決まってるじゃない!!