秘密。
秘密 Ⅲ
絶対、怪しい…。
何だかなぁ…。
僕の事、嫌いではないとは思うんだけども…あのあからさまにバイト先に来られる事を拒否…と言うより、拒絶している。
怪しい所でバイトをしてるのかって、前に何度か心配して問い質した事があるけど、カナコの両親は何の心配もしてないみたいだから大丈夫だとは思うんだけど…僕だけ知らないなんて…除け者かよ! って言いたい…。
「おーい、シノブく~ん帰ってこいよ~」
「…うっさいぞタケル、何だよ。追加の書類ならいらんぞ」
営業から一足先に戻っていた僕より年下の同僚、白石タケルはえぇ~と言って舌打ちをした。
「んじゃ、来週のお盆初日暇?」
「ん? 暇じゃないな。何かあるのか?」
「合コン。ひっさしぶりに彼女作りたいじゃん?」
ニヤニヤと妄想で笑うタケルは、外だったら確実に怪しい人物と特定され、警察でも呼ばれるだろう…。