秘密。

~~♪~♪~


カバンの中から聞こえてきたのはシノブ君専用の着うたが聞こえてきて慌てて携帯を探り出す。

『忍君w』

そう登録したのは私。
ついこの間まで、音信不通になっていたからもう一度、こうやって私の携帯にシノブ君の名前が出て来る事が嬉しくて、思わずニヤニヤと笑ってしまう。


「はぁ~い!」
『………カナコ…? どうしたの、テンション高すぎ…』


耳元に響くシノブ君の声に私のテンションはやっぱりMAX!
興奮すると、喉元から叫びたくなる。


…まさに「世界の中心で、愛を叫ぶ」だね。


口調も早くなって、話す言葉もカミカミ…。
い~や~!! 見っともない所ばかり、シノブ君に見せているなぁ…。

「……シ、シノブ君は今どこ?」

『…どこって……』

…んん? 何か、声がダブって聞こえているような…。


「カナコの後ろ」


携帯よりも自分の耳よりも…何より、シノブ君の声が私の心臓を貫いた。
震える手。ツンと鼻の奥が痛くて。


振り返ろうとしたら、私の背中にズシリと重たいものが乗っかって…。

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