秘密。

昼食が終わった僕は、今日一日外回りがないため、社内で書類を作成をしていた。

外に出る事が好きな僕もバテるほどの暑さだから、今日一日外回りではなく、クーラーのきいた社内にいる事が天国に思える。

逆にタケルは、夕方から営業先へと出なければならないみたいで、外に出るのを嫌がっていた。




「しまった～…。夕方に営業先に行かなくならなくなったよ…」



「ご愁傷様」



半分笑い半分気の毒に思いながら、タケルの背中を見送った。

あと少しで今日の業務は終了する。

終わったら、カナコに電話をして、合コンに行く事を言わなければ…そんな事を思っていると、書類あと一枚を残して就業チャイムが鳴り響いた。

チャイムと同時に女の子たちは立ち上がり、これからの予定を話し合いながらルームを出て行った。

「…終わった…！」


就業時間を幾分か過ぎて、作成した書類が出来上がった。


マウスを保存ボタンへ動かし、クリック。

完全に保存が完了した事を確認後、僕は作成した書類をプリントアウトをした。

その間に僕は帰り支度を始める。

鞄の中に入ったままにしていた携帯に、着信があったようでピカピカと光った。

慌てて、携帯を取り出して着歴を調べると取引先からではなく、カナコからだった。



「カナコから？　珍しい…」