秘密。
盛大なため息を吐いた私は、糸を解いて装飾を取っていく。

簡単に見える作業も結構骨の折れるものよね…。



「どうしたのよカナコ~。ヤル気が見えないわよ! 来週が本番なんだからネ」


ワカナは、私を励ますと再び小物作りを始める。

手先が器用だな~…。
それに比べて私は…。

『これ』を初めて3年近くはたつけど、いまだに上手くならない…。

もぉ…、落ち込んじゃうよ。


「ヤッホー! 頑張ってる~?」


突然の奇襲に驚いた私やワカナは、後ろを振り返れりその人物を見た。

黒髪のストレートが特徴のナナは、コンビニで購入したオレンジジュースを私たちに差し出した。


「げッ! アンタ、またその格好で買い物に行ったの!?」
「そうよ~ん。やっぱり、私ってこの姿が一番に合うわ」


全身を写す鏡の前に立ちながらナナはウットリと、自分の姿に見惚れていた。



「ナナ…」

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