秘密。
…こんな事言ってるから『惚気てる』って言われちゃうのかな?



私は手渡されたミルクティーを一口飲むと、部屋中に散らばってる『生地』を見る。


私がシノブ君に隠してる事はコレ。

……私がコスプレ娘だって事。



いわゆる女版オタク。



もちろん少女マンガも少年マンガもゲームも大好き!

シノブ君を部屋に入れた事がないから、彼が私の本性を知らない。


でも、考えちゃうのよね…。バレちゃった時の事を…気味悪がれたりしたら…って…。

それでフラれたらって想像しただけで、悲しくなっちゃう。

なら、バレない内に自分から言うか、彼から離れるかすればいいのに…。家族より大好きな人が出来て、フられるのが怖くて…恋って怖いな。人を躊躇する事も出来るし、一歩踏みだせる事も出来る。

「…って、アンタ人の話聞いてる?」
「聞いてない」

即答したら、お下品な事に、足蹴りされた。しかもお尻に…。

「何よ! 何も蹴らなくてもいいじゃない! ナーナ、アンタ女の子でしょ!」


呆れながらも普通に母親っぽく言う。



「だって僕、今度男の子だもん」

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