秘密。
さっきまでの憂鬱さはどこ吹く風。やっぱり、頑張って出来上がったモノを褒められる事が一番嬉しい。



「はい。僕もどうなるかと思いましたけど…白石の励ましで立ち直れました」


白石はタケルの事。


アイツは今、例のごとく営業に走りまくってる。

逆に僕は、そのプレゼンを進めるためにもっと詳しい企画を練っている所だ。



「へぇ。あのおちゃらけた白石がねぇ…」

「アイツも褒めてやってください。自分の仕事が差し迫ってるのに、僕の事を心配してくれたんです」



部長も驚いている。



僕だって驚いたさ。アイツが人を気にかける…ってのはわかるけど、励ます一言を言うなんて…ね。
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