秘密。
脳内に現れるカナコに僕は少し苦しくなる。
逢いたい…。無性に逢いたいよ~…。
………んん?
何か、今、店に入ってきたのって…。
僕は一瞬、見間違いだろうと思ってしまったが…あれはどう見てもカナコだ…。
久し振りのカナコに僕は嬉しくなると言うよりも、驚きの方が上だった。
何でこんな居酒屋にいるのか…。
何でそんな格好をしているのか…。
何で隣りの男と一緒に入って来るのか…。しかも、仲良く笑いながら…。
今までに感じた事のない苛立ちを僕は、今知った。
あれが『ショウ君』なのか? もう、僕は彼女に捨てられてしまうのかな?
「……ぉぃ、シノブ? 大丈夫か?」
タケルが僕を呼んでいるけど、何も耳に入ってこない。体を凍り付かせたまま、カナコの姿を目で追い続けた。