秘密。
言い様のない不安に駆られながらも、僕は掴まえたカナコの腕を外す事はない。



切々と願う…。

嫌わないで…。


僕には、君しかいないんだ…。


振り向いて欲しい。

それだけ…。

僕のソバにいて欲しい。


それだけ…。



君の明るい声に、仕事で挫けそうになっても励まされて、もう少し頑張ろうと思う事を…カナコ? 君は、知らないだろう?



「カナコ? ココにいる事、お母さんたちは知ってるの?」

「え……?」



ヒドく動揺している理由が、僕が現れたからなのか、それとも親の事を出されたからなのかはわからない。
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