秘密。


けど、こいつから少しでも離れたくて、僕は掴まえたカナコの腕を自分の方へ引き寄せる。


いつもとは違う服装のカナコに僕は少しイラつきを覚えた。…だって、こんなカナコ知らない。




…こんな、こんな…ロリーター系の服を着てるなんて……。



「ちょっと…、あんたさぁ~カナコちゃんが嫌がってるんだけどわかんない訳?」

口を挟んできたのはカナコの向かいに座る奴。


黒いスーツっぽい服を着て、真っ赤な無地のネクタイがヤケに目に付く。それがまた僕のイラつきを増殖させる。


「ショ、ショウ…君」


やっぱり…こいつが『ショウ君』か…。
自分の予想があった事がどこが憎らしく思う。



「君には関係ない」
別に焦る様子もなく、この『ショウ君』とやらは飄々とした感じの男だった。
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