秘密。
けど、二つ折りの携帯を開くなり切った。
以前からカナコは僕に隠し事をしていた。
僕はそれを見て見ぬふりをした。
だって、女だろうが男だろうが、秘密事があるのはあたりまえ。
…まぁ、カナコを見てると時々不安になる事もあったけど…。今回の事は、不安をより煽ったカナコが悪い。
おまけになんだよ! あの『ショウ君』って!!
あの言い方! 気に食わない!!
あの後、店から出た僕はタケルの電話をかけた。
文句の一つ、言われるかと思っていたんだけど『こっちはこっちで、楽しんでおくから気にすんな!』だった。
最近、タケルには色々と世話になってるな…。そんな事をしみじみ思いながらため息をもう一度吐く。